侘びの世界へ―Flower's Topology

懐かしいバッキング・アイディア?

『サウンド&レコーディングマガジン』1991年12月号より
個人的には馴染みがありすぎる、そして随分使い込んできたYAMAHAのオールインワン・シーケンサーQY-700の活躍も、今となっては完全休眠状態となり、たまに内蔵データをいじる以外は触れることもなくなりましたが、逆に言えば2011年までは(個人的に)現役バリバリであった、というのも不思議というか驚きです。
そもそも1999年頃、私にとって音楽のアレンジを学ぶための唯一の音源&鍵盤がQY-700(それ以前はQY-70)であり、振り返って思い起こすことも多々あります。

ちょうどその頃、ストックしていた雑誌『SOUND & RECORDING MAGAZINE』(1991年12月号・リットーミュージック)を貪るように読んで、この号の“シーケンサー・レコーディング・セミナー第34回”、篠田元一著「バッキング・アイディア⑤」でパッド系音源のアレンジについていろいろ試行錯誤したものです。

パッド系のアレンジのための解説
あの時代のハードウェアのシーケンサーというのは、ピアノロールのような視覚的に便利なものがなかった(※QY-700はピアノロール画面有り。QY-70のステップレコーディング画面はピアノロール・エディットとはなっていない)ため、コード・プログレッションの構造を、ドレミのアルファベット(ノート)と数値でリスト化したエディット画面なるもので把握するしかなく、非常に不便を強いられていました。
「バッキング・アイデア⑤」のページにある、“オープン・ヴォイシング”となっている白玉の、Cメジャー・セブン→Fメジャー7…と続く美しいプログレッションも、そのエディット画面ではただアルファベットが縦に4つ並ぶだけで、単純に見ただけでは和声になっているのか単音の並びなのかさえも把握しづらい、本当に不便なシーケンサーでした。

我が愛しのYAMAHA QY-700
篠田さんはこのページで、異なる音色のパッドで最低音、内声音、最高音を別々にして鳴らすと厚みが出て効果的、と述べていますが、私はこれを皮肉にとらえて、あの見づらいエディット画面を少しでも見やすくするため、わざと異なるパートで和声を鳴らす、ということを考えたりしたわけです。“ドロップ2”のような最低音をずらしただけ(Em7にテンションの9th→A7にテンションの9th,13th)の、ミニ鍵盤で易しくできるコード・プログレッションも、エディット画面ではそれがそうと分かるのにかなり時間がかかったかも知れません。

要するに今、昔自分が行ったアレンジを、少し顧みてみようと思う時、QY-700のエディット画面を見ても、即座にそれが何であるのか把握しづらいので、結局はデータをCubaseにインポートしてピアノロールで見る、という面倒なことをしなければならない、という問題なのです。これは半分笑い話ですが…。

さすがにQY-700をシーケンサーとして復活させる気は毛頭ないけれども、音源のネタとしては、何か復活させてみようかとは思っています。

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