侘びの世界へ―Flower's Topology

「はにかむバルテュス」の打ち込みとレコーディングについて

アコースティック・ピアノのピアノロール画面(Cubase)
120秒オリジナル・ソング「はにかむバルテュス」の打ち込みとレコーディングについて、ここでは解説します。

この曲のプログラミングをSteinberg Cubase Artist 7で開始したのは、今年の春頃で、その時点でほぼすべてプログラミングは完了していました。
“名無しの権兵衛”という言い方ももはや古い言い方になりますが、曲名は決まっておらず、特定のコードネームのままでした。

それからしばらくして、実験コーナー「宅録しませう」の課題曲にしようと決め、曲名を「はにかむバルテュス」と決めた時から、バルテュス少年が踊る印象が浮かび、あとはホームページにあるテクストの通りです。ただし、最初のプログラミングで、アコースティック・ピアノの分散和音を弾いている時点では、こんなリード・ヴォーカルになるとは、まったく考えもしていなかったことなのです。

C414マイクで音を拾うシミュレート
私はピアニストでもギタリストでもないので、1曲丸ごと弾くことができません。部分部分を弾き、Cubaseで修正を施しながら、それぞれのパートの演奏を縫い合わせるようにして音データを蓄積していきます。昔は、まさに1音ずつ“打ち込んで”いましたが、最近はあまりそれをしなくなりました。

ところで、そのアコースティック・ピアノ音源ですが、私のお気に入りのモデリング音源ソフトウェア、MODARTT Pianoteq 5 PROの「K2」ピアノを使用しています。音色の調整としては、マイクロフォンのシミュレート機能でAKG C414に切り替え、ラウドなドラムに対して相対的にやや軽めの音色となるようにしています。こうしたレコーディング時の音色の調整は、後々のミキシングの効率を上げることになります。本物のピアノにマイクロフォンをセッティングする作業は、かなり時間のかかる神経質になるものなので、こうしたモデリング音源のソフトウェアは非常にありがたい存在です。

BATTERY 4はエディットしやすい
一方のドラム音源は、Native Instruments BATTERY 4のノイジーなドラムセットを使いました。このソフトウェアはエディットが非常に優れていて、わざわざパラでレコーディングする必要がないほど、複雑な処理が可能です。今回はセットを2ch録りする段階で、ソフトウェア内のサチュレーションとコンプを通し、低域の倍音を増やしつつ、適度にコンプレッションされた太いサウンドにしています。

ヴォーカルで使用したマイクロフォンは、チューブ式のLAUTEN AUDIO LT-321 Horizonです。マイクプリとマイクロフォンのチューブが温まると、とてもキャラクターの強いふくよかな、70年代的なサウンドになります。力強いヴォーカルが必要な時はこのマイクロフォンを選びます。特にこれを選んだ場合のEQ処理は、ローカット以外でほとんどいじる部分がなく、今回の曲でも高域をわずかにカットする程度でした。

ということで、ラウドなサウンドのオリジナル・ソング「はにかむバルテュス」を存分に耳で味わって下さい。

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