侘びの世界へ―Flower's Topology

カセットMTR最期の1台―YAMAHA CMX100

異常に元気なYAMAHA CMX100
私にとっての、カセットMTR所有の歴史、その最期を飾るのがYAMAHA CMX100。

カセットテープ式4トラック・マルチトラック・レコーダー。4イン、ステレオアウト、テープアウト(1~4)、AUXセンド&リターン、PHONESという入出力スペック。
テープスピード2セレクト、dbxノイズリダクション搭載。ピッチ・コントロール有り。寸法約38cm×21cm×6.5cmとやや小ぶりで重量は2.5kg。発売年は1988年。

今月、424MKII及び464の分解作業(「424MKIIと464の分解部品移植の話」参照)で2機を失い、新たにカセットMTRを探したところ、ようやく見つけたのがCMX100です。なんとかモーター駆動やテープ走行に問題のないものに出合えて、ホッとしています。

入手したCMX100は随分と古い機種でありながら、外観の傷はほとんどなく、各ツマミやフェーダー、レコーダー部の主なボタンも正常に動作し、走行に関してはかなり元気です。不具合は今のところ見当たりません。

しかし、いかんせん先のTASCAM製品と比べると、あらゆる面で性能が劣る。80年代後半の製品ということで致し方ないのですが、まず何より、PHONESのアンプ部のS/Nが悪すぎ。
これでモニターしながら、レコーディングやオーバーダビングをしても、ノイズや歪みや音質を測ることができないほど、S/Nが酷い。とりあえず録れたかどうか確認できる程度の代物です。
そしてフェーダー。目盛りを見ても、どこを基準にしてフェーダーを上げていいのか分からない。マニュアルを読むと、“7”が適正値らしいので、“7”まで上げるようです。

YAMAHA独特だったミキサー部の外観
メーター部も慣れるまで見づらく、そもそもEQがないという製品。当時としてもこれ1台だけでは、デモテープを作るためのデモ(これをデモデモテープと呼びたい!)程度のことしかできなかったでしょう。

ホームページのコラム「さよならカセットMTR」で書いた通り、このCMX100が動かなくなれば、もうカセットMTRから完全撤退とします。現役の実務機としては、CMX100の性能上、もしかするとアーカイブのカセットテープを再生して確認する程度のことしかできないかも知れませんが、それでいいのです。

しかし、敢えて面白いことに使ってみる価値はありそう。作品づくりに加担する形で。これまでのカセットMTRと比較して、性能では断然劣ってしまうCMX100であるけれども、故に面白いことができるのではないかと。そういう使い道なら、まだまだ可能性は十分にあると思うのです。

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