侘びの世界へ―Flower's Topology

舞踏のための音楽プロジェクト


これはもう何度も書いてきたことですが、私自身の中で、東日本大震災の経験が音楽ととても深い関係にあります。
あの大震災の強い地震によって自宅スタジオの機材が吹っ飛び、それを再び元のように構築しなければならない状況に陥った時、私の中で音楽的な何かがすべて消えて無くなったように感じたのです。

それを取り戻すにはひどく時間がかかりました。機材は元に戻っても、心の中の音楽的はものは消えたままで、メロディやリズムはちっとも弾んでいないのです。

そもそもこの[Dodidn*]のUtaroソロ・プロジェクトは、そこから始まっています。立ち上げたばかりの2012年当初は、“電子音楽”というキーワードから音の集合を意識して、実験的な試みで即興演奏を繰り返しました。今では信じられないことだけれども、その頃の私のヴォーカルはまだ生声で、きちんとしたメロディーになっておらず、いまだ震災の傷を引き摺っているかのようでした。

さて、“電子音楽”という古めかしいキーワードは、私の中で特に、黛敏郎氏の「素数の比系列による正弦波の音楽」をイメージします。NHKの旧電子音楽スタジオで制作された実験音楽です。

私も20代の頃にそういう感じの実験をやってみようと、自然環境音や声のノイズを演劇の演出に取り入れようとしましたが、これは挫折してしまいました(Utaro Notesブログ「電子音楽と小劇団」参照)。

舞台演劇、それも原始的な身体表現としてのミニマムなダンスに、いかに音楽は存在しうるか。その音楽表現からいかに身体表現は変化し拡張するのか。
「舞踏のための音楽プロジェクト」のテーマはそこです。先に述べた“電子音楽”というキーワードがヒントになることは言うまでもありません。

ともかくまずは、このプロジェクトが現時点で進行していることをご報告いたします。

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