侘びの世界へ―Flower's Topology

アルバム『舞踏へ、バニー』の取り組み〈2〉

「舞踏のための音楽プロジェクト」そのオリジナル・アルバム『舞踏へ、バニー』についての解説。続き。

前回、《仮想演劇》について書きました。今回のアルバムでは、まず《仮想演劇》としての舞踏(Butoh)を空間的にイメージし、それに音楽を付けていく、音楽を構想していく、ということを試みています。
しかし当初は、この舞踏というものが漠然とし過ぎていて、なかなかイメージすることができませんでした。かつて観たことのあるダンスの記憶をもとに、舞踏に関する資料を集め、ようやく朧気にイメージが湧いてきたのは昨年のことです。

その一つの大きなきっかけは、新聞の文芸欄の記事で『Rude World』という現代舞踏のニューヨーク公演が紹介され、身体パフォーマンスの自由さを知り、そういった身体パフォーマンスのカテゴリーを調べているうちに、Sasha Waltzというベルリンの女性アーティスト及びその集団のパフォーマンスに出会うことができました。これが私のイメージする舞踏にとても近いと思ったのです。

そして最終的には、《仮想演劇》=舞踏のモチーフを「人」「街」「踊り」に絞り、東京やパリ、ロンドン、モロッコの風景や物、人々、その喜怒哀楽などをモチーフにした舞踏をイメージ。ダンス・ミュージックのようなものから幾何学的な即興音楽、シンプルなラヴ・ソングまでを盛り込んだ、文字通り舞踏のための音楽アルバムを作る、ということになったわけです。

サウンド面では、もちろんできうる限り高音質のサウンドを作り出したいと考えていますが、実験的な試みもしてみるつもりです。日本の下駄を使ったリズム、タイプライター、ヴォーカルにおける面白い効果など。いろいろな音がアルバムの中に鏤められていくことでしょう。

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