「初夏の沐浴」―音楽を作る楽しさのアンサンブル

紺野さんのカスンケ―そのアフリカンなリズム

【紺野さんのアフリカン楽器カスンケ】
月日が経つのは早いのか遅いのか、もうそのあたりの時間的感覚が麻痺してしまっていて、半年前を振り返ったと思ったら、それは2年前のことであったり、逆に1年前と思うことが、まだ数ヶ月前のことであったりと、記憶の中の時系列がバラバラになっていることに気づいたりします。日頃、「音楽を作る」ということに溶け込んで、音楽に接する感覚のまま、日常の物事をとらえようとすると、そんなふうになってしまいます。5分の曲の内容が、自分にとっては10年の歳月の物語であったりするので、もはやこういった時間的感覚の冷静さは、取り戻せそうにありません。

昨日の夜、自己批判ショーの役者さんである紺野秀行さんのアフリカン楽器、“カスンケ”によるソロ演奏でリズム録りをおこないました。ついこのあいだ彼のウォッシュボードでレコーディングしたと思っていた「東京マタニティ」は、もう2年前の出来事になります(当ブログ「シャカシャカシャカっとウォッシュボード」参照)。そして今年1月に終了した「舞踏のための音楽プロジェクト」の作品「Evolution and Civilization Water」でのケンケニのレコーディングは、2015年11月のこと。今回のレコーディングはそれ以来となります。

【使用したマイクロフォンSHURE PG56】
アフリカンの筒型の太鼓である“カスンケ”を紺野さんに見せていただいたのは、昨年の確か10月末のこと。クロッシュという片手で持って鳴らすベルも一緒に見せていただきましたが、“カスンケ”はかなり図体の大きな太鼓であり、音もさすがにファットで低域がラウド。その時、「次回のレコーディングはこのカスンケでいきましょう!」と決まってから、約半年経過。やりたいと思っていたのは、例の「舞踏のための音楽プロジェクト」の延長のようなもの。テーマは“愛”。この曲が目指しているのは、暗黒舞踏家の土方巽とフランスの作家ジャン・ジュネの詩の世界観をあらわすような、かなり濃厚でロマンチックなもの。紺野さんの“カスンケ”のリズムを基礎に、そこからメロディを紡ぎ出し、歌を吹き込みたいと思っています。もちろん、完成までにはまだ時間がかかります。

今回のレコーディングでは、2本のダイナミック型マイクロフォン、SHURE PG56を使い、それぞれを内側に傾けて、太鼓の縁あたりをポイントにしてセッティングしました。とにかく今回は“カスンケ”のダイナミックな音をとらえるため、音像に広がり感を持たせるべく2本のマイクロフォンによるステレオ録音。Pro Toolsは32bit浮動小数点/96kHz。
録りのプラグインはいつも通り、UNIVERSAL AUDIOのConsole 2での、Neve 88RSチャンネル・ストリップ。EQ処理は無しで、コンプは浅く軽め。

録る前に不安だったのは、あれだけラウドな音であれば、録った音が痩せて聴こえるのではないかということ。しかし実際に録ってみるとそんなことはなく、イメージした“カスンケ”のドスの効いた低域がしっかりとらえられていました。
本当は数テイク演奏してもらおうと思ったのですが、最初の6分強の1テイクがすこぶるジャジーで、弩級の集中力でパフォーマンスしていただけたので、これを採用せずしてどうすると思い、その1テイクのみの録りとなりました。ともかく力強い演奏でした。

この曲のプロジェクトの立ち上げについては、いずれご報告いたしますので、どんな曲になるのか楽しみにしていて下さい。

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