侘びの世界へ―Flower's Topology

「Gender」―僕は何者?

【「Gender」で使用したマイクロフォンAston Origin】
前回に引き続き、2分弱のオリジナル曲「Gender」のレコーディングについて。

先月末の時点で、小型シンセOP-1のリズムを基礎にしたパート、それからJD-Xiによるシンセ系のリードやパッドなどをダビングした5トラックに加え、JD-Xiのマイクロフォンとヴォコーダーを使ったヴォーカル・ワークのトラックを一つだけ録っていました。これは即興で思いついた文章を紙に書いておき、それを声に出して表現したものです。
そのまとまった仮ミックスのデモを何度か客観的に試聴し、まだそこに何か足りない…ヴォーカルをもっと加えようということになったので、新たに今回、ちょっとしたヒップホップ的なニュアンスの、ヴォーカル・ソロとコーラスのセットを5トラック録りました。

【録られたヴォーカルのオーディオ・クリップ】
使用したマイクロフォンはAston Originで、昨年購入したまま、まだ本格的に使用していなかったため、今回は“実験”を兼ねて、このマイクロフォンを採用しました。とてもクリアでモダンなサウンドです。
ただし今回のヴォーカル録りでは、結果的にコンプとEQは“掛けていない状態”にしました。録りの最中ではApolloのConsole 2でコンプのプラグインをインサートし、様々な設定に切り替えながら音色を試してみたのですが、しっくりいかず、これはミキシングで調整しようということに決め、ノンエフェクトで録りました。

【ヴォーカル・パフォーマンスのためのラップ・メモ】
実は、Aston Originのサウンドが想像以上に良く、良すぎたためにギャップを感じて、ややこの曲の泥臭いイメージに合った音色にわざと仕立てようとしたのですが折り合わず、泣く泣くミキシング時の処理に委ねることにしました。しかし、本当にこのマイクロフォンのサウンドが素晴らしかったので、決して失敗だったというわけではないのです。

この曲に限らず、私はヴォーカリストとしてレコーディングをおこなう時、いつも“少年”の自分に戻ります。とても不思議なことです。ピュアな気持ちになり、ストレートな表現でヴォーカル・レコーディングにアダプトすることが多く、そうした取り組みが好きなのです。
Pro Toolsという使い慣れたDAW、そして繊細なニュアンスを残してくれるマイクロフォンといった組み合わせがあれば、表現そのものに集中できます。「Gender」では何がテーマなのか、いま自分は何を表現したいのか、最も直接的な“残しておきたいこと”を自分なりのパッションで残す――これが音楽の取り組みであり、私のやりたいことなのです。

次回へ続く。

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